王子様に恋愛中(仮)


ふと、ももは楓先輩の方に向き直って、

「楓さん…姉のこと、よろしくお願いします」

と言った。

「こちらこそ…頼りない彼氏ですけど」

「そ、そんなことない!楓先輩は…世界一の彼氏です…」

思わず口に出してしまった!

恥ずかしすぎる…

「お姉ちゃんたら、妹の前でのろけないでよ。お邪魔みたいだからあたし帰るね♪
あ、一週間お父さんもお母さんもいないらしいよ。出張だってさ」

「もも、一人で大丈夫?」

私も3日後には退院できるけど、その間はもも一人だ。

「大丈夫だよ。それよりお姉ちゃんは自分の心配して!じゃあね」

くるっと踵を返して病室から出て行ってしまった。

「もう…心配性なんだから」

「優しい妹じゃん。蛍のこと好きなんだな…って何妹に妬いてんだ、俺」

「楓先輩かわいいっ」

「男にかわいいって褒めてねーから」

楓先輩、大好きだよ…

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