王子様に恋愛中(仮)
11月も半ば、屋上では冷たい風が頬に吹きつける。
でも、そんなことも気にならないくらい、私の心は不安でいっぱいだった。
「楓ね、今あなたを襲ったあの三人組の証拠を探して学校休んでるのよ」
…え?
「それはどういう…」
「あの時あなたを襲った三人組…E組の田中さん、佐藤さん、須貝さん…っていうんだけど、あなたが入院中に楓に三人組のこと聞かれたの。
そしたら楓、「俺が謝りにいかせる」って…
あたし止めたんだけどね。
それで楓は三人のところに行ったんだけど、見事にシラを切られちゃったみたいで」
椎名さんは苦笑いしていた。
「どうしよう…私のせいで」
「大丈夫よ。楓は、絶対あなたを悲しませるようなことはしない。
だから、今は信じて待っててあげて」
「うん…ありがとう」
楓先輩…
どうか私のために無茶はしないで。
そう祈るしかなかった…