王子様に恋愛中(仮)
私が驚いているうちに、保健室に到着した。
「先生いねーな。俺が消毒してやるよ、足出せ」
先輩はそう言ってくれたけど、さすがにそこまでしてもらうのは気が引けた。
でも、
「気遣うなよ。お前らしくない」
私ってそんなに図々しい!?
ちょっとショック…!
「図々しいとか、そういうんじゃなくてだな…いつもみたいに俺に飛びつく勢いで甘えろってことだよ」
ん!?私何も言ってないよ…!
「先輩、私…」
「…お前、顔に出てるからな。ほら消毒するぞ」
手際良く私の膝を消毒していく先輩。
「昨日、流星にも言われました…」
楓先輩のこと考えてるってバレてた。
流星、という言葉に少しだけ眉をひそめて、次の瞬間信じられない言葉を発した。