王子様に恋愛中(仮)


「酒井とお前って付き合ってんの?」

「ほぁああ!?」

ぷっ…と噴き出す先輩。

ああ…笑顔、かっこいいな……ってそうじゃなーーーい!

「私、楓先輩が好きなんですよ!?なんで流星と付き合ってることになるんですか!?」

消毒途中だったけど、がばっと立ち上がって先輩を睨む。

「…お前、俺の噂知ってるだろ?」

そう言った先輩の顔は、とても悲しそうで辛そうで…

「女の子に告白されてもOKしない…ってことですか?」

「それもあるけど…知らないならいい」

そう言ってそっぽを向く。

「私、中途半端な気持ちで楓先輩のこと好きなわけじゃないんです」

大好きで、大切で…

相手にしてくれないけど、こうやって優しくしてくれて。

諦めたくないの…
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