赤ずきんちゃんと6人の狼くん   ~危険な逆ハー生活!?~
理事長室に入ると

時坂さんが呑気に椅子に座って

紅茶を飲んでいた


く~。こっちは、


顔面が恐ろしい鬼に

追いかけられてるのに・・・



お前はのんびり紅茶なんて


ずるいぞ!


すると、時坂さんは

やっと、私の存在に気づいて、


時「おお。ユイちゃん。

  今日は楽しかった~?」



いやいや、こっちは今、

それどころじゃないんだ!


ユ「鬼が追いかけてきたから

  隠れさせて。」

肩で息をしている私の

事情を理解したのか、


時坂さんは

クローゼットの中に

私を隠してくれた。


よかった・・・


でも、スーツがいっぱいあるから

正直、きついです・・・・


てゆーかさ、今考えてみれば


「鬼に追いかけられた」って言う人って


滅多にいないし、周りから見れば

変人だよね・・・。



なんか、自分が悲しくなってきた。



私がクローゼットに隠れて

30秒後・・・



ガタン!


勢いよく、扉の開く音がした。


クローゼットの中だから見えないけど、

多分、あの5人だ・・・。


薫「こっちに、ユイ来なかった?」


早く、行ってくれ・・・


時「静かに入れ。

  あと、ユイがどうかしたのか?」



ナイス演技!時坂さん!


あとさ、私と話してる時と

性格が全然ちがくない?



なんか、馬鹿っぽい時坂さんから

クールな時坂さんになってない!?


beforeとafterの差が半端ないね。


千「バスケ部に入って!って勧誘したら

  逃げちゃったんだよね。」



いやいや。此処まで追ってくるとか、

しつこすぎだろ!


麗「俺等が追いかけたら、全力疾走で

  逃げられて・・・」


あの顔で追いかけられたら

誰でも、全力疾走でしょ・・・



怜「で、ユイが逃げた先が

  此処だったんですけど、

  ユイ来ませんでしたか?」


怜って、

目上の人には敬語なんだ・・・


時「来てないが、

  寮に戻ってるんじゃないか?」


おお。いけいけ時坂さん!


遊「あいつって、

  寮の場所知らねえよな。」


なんで、こーゆう時だけ、

遊兎は頭が回るんだ!?


時「そんな事より、

  ユイに何かしたら死ぬ覚悟しとけよ」


うわ~時坂さん!

殺気出てますよ~。


千「ち、ち、ち、

  違いますよ。ただ・・・」


千秋がビビってる・・・

あんなバカでも、

恐怖心はあるのか・・・。


麗「バスケ部に入らない?

  って聞いただけです。」



チャラい男の麗緒が敬語使ってる。


きっと、お母さんもこのこと知ったら

感動でハンカチビッショリだよ。

麗緒のお母さんと

会ったことないけど・・・
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