おまえのために・・・(短編)
「本当に?」
疑わしげな青年の言葉に、少女は笑いながら答えた。
「その証拠に、あなたは今、ここにいる……でしょう?」
少女は、楽しげに状況を説明し、青年は、まじまじとそんな少女の満足気な顔を見上げた。
「……すごいなあ」
ぐるりと辺りを見渡し、青年は自分が、来た覚えのない公園にいるのを確認した。
「本当に?」
再度、問いかけた青年に、少女は笑う。
「もちろん。彼は消えたわ。もうあなたを悩ますことはない。
はい、だから、残り。100万」
「……ちょっと、まけてくれない?」
「まけるわけないでしょ」
何言ってんの、と少女は、青年を見る。