おまえのために・・・(短編)
少女が笑うと、青年は不満げに反論した。
「バカ言うな。妄想するのと、本当にやるのとじゃ、大違いだ」
「そりゃ、そうね。けど、あれもあなたの一部だわ」
「ふん」
青年は、鼻を鳴らした。
「僕なら女の為になど、自分を消しはしないさ。
大体、どうしてあんなものが出てきてしまったのやら。
でも、まあ、これで、ひとまず安心だ。ホッとしたよ。
君にも世話をかけたね」
青年は立ち上がり、少女の肩を抱き、公園を出ようと促した。