おまえのために・・・(短編)
出会い
初めておまえに会った時、俺はちょうど手ごろな女を殺ってきたところだった。
そうでなければ、俺好みのおまえはきっとすぐに俺に殺られていた。
おまえは泣いていた。
夕刻の公園の片隅で。
捨てられた仔犬の入った段ボールを見て、声も上げずに涙を落としていた。
「どうしたの?」
俺は昼の人格を真似て、人の善さそうな笑顔で近づいた。
お手のものである。
いつもの手だ。
この優しげな整った顔に、高い背に、清潔感と高級感が溢れる服装に、女は弱い。
次のターゲットにちょうどいいと思った。
その日の獲物は淫乱な女だったから、
おまえのセーラ服は特別魅力的だった。