おまえのために・・・(短編)
欲望を満足させる為だけに生きている。
俺は血を求めてさまよう。
今までに、何人を殺っただろう?
恐怖に歪む女の顔。
助けを求めるその声。
それまでの傲慢さがすっかりそげ落ちた、苦悩の表情。
掴み出された自分の内臓を見せられ、断末魔をあげる女たち。
なんて快楽。
想像するだけで、笑いがこみ上げてくる。
この手に浴びた血の朱を俺は思い出す。
腸を掴んだ感触を。
取り出したばかりの心臓のドクドクと動く感触を。
まだ生きている女の肺を握りつぶす感触を。
俺は、この手で生の臓器に触れ、この目で創造主の微細な仕事を確認する。
ああ。
これが俺の存在意義。