恋愛?何それ?美味しいの?
奥から剛が気持ち悪い程の笑みを浮かべて歩み寄って来る。

「やぁやぁ、谷井君」

谷井君?キモいにもほどがある。

「ドンマイ!」

そう言って祐也の肩を叩く。

「は!?」

まだ状況を理解できない祐也。
何だか皆のしせんが…。

「お前振られたわ」

嬉しそうに告げる剛。

「何の話かな?」

言いながら、あたりに視線を巡らせる。

席で黙って外を見ている美紗。
つまんなそうな顔をしている真美。

「お前が鈍くさいから、俺が代わりに言ってやったのよ」

あぁ、そゆことね…

状況を理解した瞬間、もう言葉が声にならなかった。


「そしたら、え!?キモいー、だってさー。残念でしたぁ」


腹腸が煮えくりかえるを通り越すと、その先は無気力なんだな。
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