Unchanging Love
「あぁ~堂本くんだ!ゆきなだけずるい!」


「くるみが気付かなかったんでしょ?」


あたしがあきれたように言う。


「だってくるみたちに話しかけたと思わなかったんだもん!」


私が振り返るとエナメルを肩から斜めにさげた堂本くんが一人で立っていた。


「桜井悪かったな、顔だけの男で。」


不敵な笑みを浮かべて、堂本くんが私の方を見た。


聞いてたんだ・・・


「でも、どうして堂本くんここにいるの?あっ、まさかこの近くにお家があるとか?」


私が気まずいと思っていると、とくるみが堂本くんに話しかけた。


「いや、俺ん家マンション。帝都マンションってとこ。知ってる?」


ん?・・・帝都・・・マンション!?


くるみと私が住んでいるマンションの名前も帝都マンション。


一緒のマンションだったらどうしよう・・・あんなこと言っちゃった・・・


同じ名前の違うマンションでありますように!


「それって中央病院の近くにあるやつ?」


くるみが真剣に聞く。


私もくるみの質問の答えに真剣になってしまう。


「あぁ・・・中央病院・・・そんなのあったかな?」


「ほんと!?じゃあ、たぶんくるみと堂本くん同じマンションだよ。何階?」






< 13 / 22 >

この作品をシェア

pagetop