千日紅~永遠のキズナ~
「この部屋、パーカーだと暑いでしょ?これあたしのだから着替えてきたら?」


あさひはあたしにワイシャツを渡す。


きっと、あさひなりに気を使ってくれたのだろう。


「あっちに脱衣所だから」


そう言われ、あたしは着替えるために部屋を出た。





珠愛が部屋を出て行っても、みんな複雑そうな顔をしている。


あの頃のあたしもこんな風に、珠愛には見えてたのかな?


今ならあの頃の珠愛の気持ち、少しはわかる。


守られる側だって、辛いんだよ?


自分のせいで、みんながこんな顔をする。


これじゃ、「ごめんね」ってこっちが言いたくなる。


「ハル、何重い空気にしてんのよ」


あさひはハルの背中を思いっきり叩く。

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