トレモロホリディ
でもそれは期間限定なわけで
ミナト君の部屋で寝るようになってから、早いもので一週間が過ぎようとしていた。


相変わらず、管理会社からは何の連絡もなかった。


でも、なんとなく。


もっと時間がかかってもいいかな、なんて。


そんなことを思う自分がいて、ちょっぴり複雑だった。


そんなある日のこと。


いつものように、二人でベッドに横になったものの、


なんだか二人とも寝付けなくて、ゴロゴロと寝返りを打っていた。


猫ちゃんと遊んでみたり、映画を観たりもしたけど、なんだかダメで。


ミナト君も私もちょっと困ってしまった。


「なんか今日、全然眠れない。

身体は疲れてるから、早く眠りたいのにねー」


「俺もー。

まぁ、そんな日もあるよね。

じゃあ、ちょっとおしゃべりしてよっか」


「うん、そうしよ。

あ、ちょっとだけカーテン開けていい?」


「いいよ」


顔がほとんど見えないなか話すのって、ちょっと妙だし。


カーテンを10cmほど開けて、私はまたベッドにゴロンと寝転んだ。


少し明るくなったから、ミナト君の顔がよく見えるようになった。


こうして横になって向かい合うと、やっぱりちょっとだけ恥ずかしいかな。


照れる時はいつも、タオルケットで顔を半分隠す私だった。


「こういう時はさ、恋の話をすると案外眠れるかも?」


「えー、そうかなあ?」


「いいじゃん。ものは試し。

ミナちゃんはさ、どんな恋愛してたの?」


「え…?」

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