トレモロホリディ
その匂いに引き寄せられるように、私はフラフラとそのお店に辿り着いていた。


明かりがぼんやりと歩道に漏れた店内は、外の静けさとは違って大勢のお客さんで賑わっていた。


ここって一体何屋さんなんだろう?


ドアの横に立てかけられた黒板の営業時間を見てみる。


22:00~10:00?


「えっ、どういうこと?」


飲み屋さんか何か?


ガラスドアから中の様子を覗くと、お客さん達は普通に食事をしているようだった。


あ、ハンバーグだ。


美味しそう……。


それを見た途端、


私は無意識にドアの取っ手に手をかけてしまっていた。

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