トレモロホリディ
「ひどいな、そいつ…。

ミナちゃん、誰かに相談した?」


「ううん。

先輩とは共通の友達が多かったし、サークルの子に相談するのは気が引けたから…」


「そんな…。

ーで、その先輩どうしたの?」


「避けるようになった最初の頃はね、何度か電話をかけて来てたし、会おうって何回か言われたんだけど。

それって私に会いたいんじゃなくて。

ただ、そういうことがしたいだけだったみたい。

私が応じないってわかった途端、すぐに他の女の子に乗り換えたの。

しかも、同じサークルの女の子だよ。

すごく、ショックだった…。

サークルの友達も、いきなりのことにみんなビックリしてたよ。

だけど、別れた本当の理由なんて、誰にも言えなかったんだ…」


「そいつ、まじで最低野郎だな」


ミナト君の顔が恐い。


本気で怒ってくれてるんだね。


なんか、嬉しい…。


「私が間違ってたんだ。

ただの先輩後輩でいれば良かったのに。

少なくともそれまでは、楽しい関係でいられたから…」


ちょっと人気のある先輩だったから、告白されて浮かれちゃったんだよね。


ホント、バカだ。


私…。


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