トレモロホリディ
ピンポーンとインターホンを鳴らす。


ガチャンと扉が開き、ミナト君が顔を出した。


「こんばんは」


さっと右手を上げると、ミナト君はにっと笑った。


「じゃ、行こうか」


ミナト君はいつも通り、爽やかで素敵だ。


今日もほなみまで、ミナト君と一緒に行くことになっている。


今夜は月がとても明るくて。


私の前を歩くミナト君のシルエットが、すごく綺麗に見えた。


通常通りに戻っただけなのに。



なぜか遠い人に思えて、



妙に



せつなかった。


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