トレモロホリディ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「壮真さん、お先に失礼しまーす」


「おう。サンちゃん、お疲れー」


従業員達が次々に扉を出て行く。


音楽も消えた店内は、早朝なのでほぼ無音の静けさだ。


「ミナトー。
メシ食って帰るかー?」


ボックス席で休んでいるミナトに声をかけた。


「あー、はい」


「俺、久しぶりにほなみがいいなー。

そこでもいい?」


「いいですよー」


俺は店内の電気を消し、ミナトと店を後にした。





ほなみに到着し店内に入ると、穂波さんがカウンター越しに他の客と話をしていた。


俺とミナトはカウンター席に、いつものように一つ席を空けて腰掛けた。


「いらっしゃい。

壮真君、最近あんまり来なかったじゃない」


「ごめん。客の付き合いで、他の店で食べたりしてたんだー」


「ふふっ、いいのよ。わかってるし。

二人とも、朝定食かな?」


「うん、俺はそれで。

ミナトもそれでいい?」


「はい、お願いします」


穂波さんは厨房にいるアルバイトの子にオーダーを伝えると、俺らの前に水を置いてくれた。
< 126 / 500 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop