トレモロホリディ
そんなある日の早朝。


ほなみに久しぶりのお客様が訪れた。


「おはよー」


爽やかに右手を上げる赤髪の男性。


壮真君だ。


「いらっしゃい。

なんだか久しぶりですね」


「美菜ちゃんに会うのは、確かに久しぶりだな。

前に湊と一緒に来たんだけど、その時美菜ちゃんは休みの日だったしな」


「そうだったんですね」


いつものカウンター席に座る壮真君の前に、そっと水を置いた。


この時間は比較的お客様が少ないので、穂波さんは奥の部屋で休んでいる。


私もこの頃は厨房に入るようになったので、壮真君の朝定食を大学生君と一緒に準備した。

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