トレモロホリディ
そう言った後、店内がシンと静まり返った。


さっき私もフリーズしたけど、壮真君もフリーズしている。


な、なになに?


なんなの?この状況。


「美菜ちゃん、それ誰に聞いた?」


「えっ?」


「湊本人?」


「ううん、違う」


え、言っていいのかな?


ど、どどどうしよう。


すごくまずいことなのかな?


「じゃあ、女の子に聞いたんだな。

誰?

その子には絶対言わないから、教えて」


「えっ、でも」


「大丈夫だから」


壮真君がにこにこ笑い始めたから、そんなに深刻じゃないのかな?


「えと、あの。

梨香ちゃん」


私がそう言った後、壮真君はあぁと納得したように頷いた。


「なるほどなー。あの子かぁ」


な、何がなるほどなんだろう?

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