トレモロホリディ
「美菜ちゃん、梨香ちゃんに相当警戒されてたんだな。

まぁ、湊と仲良さそうにしてるとこ、お店で見られてるしねー。

ーで、美菜ちゃんはどう思った?湊がゲイだって聞いて」


「え、どうって…。

別に何とも思わなかったですよ。

あぁ、そうかって。

それくらいです」


私がそう言うと、壮真君は目を大きく見開いた。


「それ知ってても、仲良くしてたってことか。

そりゃ、すげーな。

普通は引くんだけどねー」


まぁ、確かに少しはビックリしたけれど。


「美菜ちゃん」


「はい?」


「本当のことを教えてあげよう」


トンッと軽く両手でテーブルを叩く壮真君。


「え、何?」


壮真君はニヤッと笑うと、ゆっくり私に顔を近づけてきた。


「湊はね…」


思わずゴクッと喉が鳴ってしまう。


壮真君の妖艶さもあるけれど、何を言われるのかわからなくてドキドキする。


もうっ、何なのー?


早く言ってーーー!


息が苦しいよーーーー!!!


壮真君の顔がさらに私の耳に近づき、ボソッと耳元で囁かれた。



「アイツ…、






ゲイじゃないよ」

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