トレモロホリディ
走り出した思い
湊君の彼女の存在を知った次の日の早朝。


昨日と同様、赤い髪の彼がほなみに現れた。


「いらっしゃい」


私がそう言うと、壮真君はカウンター席に座りながらクスッと笑った。


「あれから、大丈夫だった?」


「えっ?」


「相当、ショック受けてたみたいだったけど」


「あ、あぁ…。

なんかごめんなさい。

私、ボーッとしてたみたいで」


うぅ~。


今思い出すと、すごく恥ずかしい。


「今日はまともに話せる状態?」


優しく微笑みながら、テーブルに頬杖をつく壮真君。


「あー、はい。もう大丈夫です…」


「まだ話の途中だったからさ。

続きの話、していい?」


湊君を救えるっていう話…だよね?


私はコクリ頷いた。

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