トレモロホリディ
「私もおんなじだよ。


湊君が後押ししてくれるから。


だから無謀だってわかってても、受付の面接を受けることが出来るの。


たとえ落ちてもね、また挑戦しようって思えるのは。


湊君のお陰なんだ。


ありがとね…」


湊君の方に身体を向けてそう言うと、湊君も私に身体を向けた。


「美菜ちゃんはね、菜の花なんだよ。


鮮やかな黄色の、優しい花。


おばあちゃんの願い通り、明るく、綺麗に咲かなきゃダメだよ?


美菜ちゃんなら絶対なれる。


素敵な受付嬢にね」


「湊君…」


湊君がそう言ってくれるから、嬉しくて、なんだか胸がいっぱいになってくる。


湊君は本当に優しい…。


梨香ちゃんが以前、湊君は誰にでも優しいって言っていたけど。


その優しさを、こんなに近くでもらえる私は。


すごく、すごく幸せだ…。

< 250 / 500 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop