トレモロホリディ
あまりにビックリして、


閉じていた目をパッと開けた。


そうしたら、


色素の薄い湊君の瞳と視線が絡み合って、


身動きが取れなくなってしまった。


湊君は目は真っ直ぐ、


真剣に私を見つめていて。


そんな彼としばらく見つめ合っていると、湊君が視線を下にずらした。


彼の視線の先は、


私の唇だ。


思わずゴクッと息を呑むと。


湊君の顔が、少しずつ私の顔に近付いて来て。


息が触れ合いそうな距離になったところで、


湊君がゆっくり目を閉じた。


それを確認した後、


私も目をそっと閉じた。



するとしばらくして



私の唇に、



優しい感触が



そっと重なった。
< 255 / 500 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop