トレモロホリディ
「湊君」


「ん?」


「今日ね、壮真君がほなみに来たよ」


画材道具を片付け終わった湊君が、ベッドに上がって来る。


「あぁー、お前も来るかって言われたんだけど、断っちゃった」


軽く舌を出して、両肩を上げる湊君。


「最近湊君の付き合いが悪くなったーって、ちょっと寂しそうだったよ」


湊君が絵を描き始めたことを、彼は知らないから仕方ないんだけど。


「まぁ確かに、最近俺すぐに帰るからなあ。

たまには行かないとねー。

あの人も意外に、寂しがり屋だから」


へぇ…。


壮真君も寂しがり屋なのか。


まぁ一人暮らしだもんね。


家に帰ったって、一人なわけだし。

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