トレモロホリディ
それからの数日。


ミナト君達がほなみに来るのかと思えば、全然来なくて。


気がつけば、お店は定休日になっていた。


ほなみの定休日は日曜日。


ーと言っても、午前中は仕事をしていたから、もうすぐお昼に差し掛かるんだけど。


お店から帰ってすぐに、私は溜まっていた洗濯物を洗濯機にかけていた。


私の洗濯機は小さめだから、これだけの量をさすがに一回じゃ回せない。


ベランダに第一陣を干して、もう一度洗濯機を回そうとした時だった。


私の足元で何かが撫でるような感触が走った。


玄関のすぐ近くにある洗濯機。


床はフローリングのはずだよね。


どうしてこんな場所で、こんな感触がするんだろう。


もしかして虫が私の足の上を這っているとか?


蜘蛛かもしれない。


もしそうだとしたら、これはかなりの巨大サイズじゃないの。


ど、どどどーしよう。


私、虫が大の苦手なんだよ~。


田舎で育ったくせに、それだけはどうしてもダメで。


あぁぁ~、恐ろしくて下が見れないよー。


一人暮らしってこういう時、心細いんだよね。


でも、このままってわけにはいかないし。



恐る恐る視線を下に向けると。





…………っ!








「キャーーーーーーー!!!」

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