トレモロホリディ
湊君の誕生日があと2日後に迫った日の早朝。


久しぶりに湊君が、壮真君と一緒にほなみに来店した。


「湊くーん。いらっしゃい。

なんだか久しぶりねぇ」


穂波さんが優しい笑顔で出迎える。


「ご無沙汰しちゃって、すみません」


申し訳なさそうに、軽く頭を下げる湊君。


「私はいいんだけどね。

壮真君が寂しそうだったわよ」


クスクス笑う穂波さんに続いて、私もクスッと笑った。


「別に寂しくねぇしー」


ぶぅと軽く頬を膨らませ、壮真君は腕と長い脚を組んだ。


「そうだったんだー。

俺が来なくて寂しいなら、寂しいってちゃんと言ってくださいよー」


そう言って壮真君の首に、後ろから腕を回す湊君。


「おまっ、顔が近いっ!やめれって」


「照れない、照れない」


う、うぉう。


どうしてだろう。


なんだか見ていて恥ずかしい。


私はボーイズラブの漫画は読まないけれど。


こうして美男子同士が絡むのを間近で見ると…。


興奮する人の気持ちがわからなくもないかも?

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