トレモロホリディ
「まぁ、美菜ちゃん…。

まだそうと決まったわけじゃないからさ…。

めぐるちゃんの熱が下がれば、ちゃんと帰って来るよ。

アイツの誕生日、二人でお祝いするんだろう?」


コクンと静かに頷いた。


一緒にお祝いする約束をした。


ロールキャベツ楽しみにしてるって。


そう言ってくれたもの。


「そのあと、告白…するんでしょ?」


壮真君の言葉に、ピタリと動きが止まってしまう。


それはもちろんしたいけど。


なんだかもう、自信がない。


「約束してるなら、アイツは帰って来るよ。

美菜ちゃんとの約束を破るようなヤツじゃないよ。

それは、わかるよね?」


それはそうだけど。


さっきから段ボールにどんどん増えていくプレゼントを見ていると。


このお客さん達との約束は…?って、考えてしまう。


これだけ大勢の人がお祝いに来てくれているのに。


それをわかっていても。


めぐるちゃん一人の重みには、敵わないってことでしょう?


だから私との約束だって、


めぐるちゃんの熱が下がらないなら、


また後日にでも…って、


軽んじられてしまわないかな…。

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