トレモロホリディ
壮真君の言うことは、もっともだと思う。


自分の絵に自信が持てない湊君に、


私も同じように言った。


試してみないとわからないよって。


自分で言っておいて情けないけど…。


「壮真君。


私ね、もともと全く自信のない人間なの。


そんな私がね、今日までずっと心の準備をしてきたの。


勇気を振り絞って、告白しようって覚悟を決めてたの。


でも、その告白したい相手が今いる場所は、


その人が大好きだった女の子のところで。


それを思うとね。


もう…、


勇気なんて出せそうにないの…」



湊君のかけてくれた魔法は、



もう効果がなくなってしまった…。

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