トレモロホリディ
「じゃあ、最初からハッキリそう言ってくれたらいいじゃないか。

優しいからダメになりそうって嘘じゃん」


単に口うるさい俺から、逃げたかっただけなんだろう?


「そんなの言えるわけじゃない。

私のために一緒に上京してくれた湊に。

うざいからやめてなんて…。

そんなこと言えない」


「だからってどうして突然いなくなる?


連絡が取れなくなって、どれだけ苦しかったか。


どれだけつらかったか。


待っててって言葉は、俺にとっては呪縛の言葉でしかなかったよ。


いつまで待てばいいのか。


どれだけ待てばいいのか。


めぐるにとってこの一年半はあっという間でも。


俺にとってはすごく長かったんだ。


優しい俺が好き?


じゃあ優しくなかったら捨てるのか?


俺ってめぐるの一体何なの…?」


もう。


ワケがわからないよ…!

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