トレモロホリディ
「美菜ちゃん。

俺、ずっと美菜ちゃんに謝りたかったんだ。

誕生日の約束、守れなかったこと…。

お店にも来てくれたんでしょう?

ごめん。

本当にごめんね…」


震える声で必死に言葉を紡いだ。


美菜ちゃんはうつむき加減に、少し困ったような顔をしている。


どうしよう。


何も言ってもらえない。


でも、続けなきゃ。


「めぐるに会いに行ったら

彼女、体調崩してて…。

医者には拒食症の疑いがあるって言われるし、心配で…。

放っておけなかったんだ…」


「……うん」


美菜ちゃんは、わかってるよ…と言いたそうに静かに頷いた。


違う。


こんな言い訳がしたいわけじゃなくて…。


「めぐるとやり直そうとしたんだけど…。


でもいざそうなったら、すごく違和感があって。


彼女が変わってしまったんだと思ったんだけど。


きっとそうじゃなくて。


俺が…


変わってしまったんだ…」


俺の言葉に、美菜ちゃんがコテンと首を傾げる。


「俺ね…。


彼女といても


美菜ちゃんのことばっかり考えてたんだ…」
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