トレモロホリディ
ようやく言えた言葉の後、


俺はズボンの後ろポケットから


あの色えんぴつを取り出した。


そして、


反対の手に握りしめていた手紙を、そっと差し出した。


「これ…」


「あ…」


美菜ちゃんがビックリしたように、その二つを見ている。


「誕生日の日…。


俺にこれをくれるつもりだったんでしょう?


その時に…


思いを伝えようとしてくれたんでしょう?


それなのに俺…


ごめんね。


本当にごめん…」


「湊君…」


「死ぬほど後悔してる。


あの日、戻って来なかったこと…。


なんてバカだったんだろうって…。


美菜ちゃん…


傷つけて


ごめんね…」

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