トレモロホリディ
膝がガクンとしなって、


視界からパッと湊君が消える。


「わっ」


湊君が慌てて私を抱きかかえるけど、


一緒にそのまま床にバタンと倒れ込んでしまった。


いったぁーーーー…くない?


あれ?


ぎゅっと閉じていた目を開けると。


私の上に覆いかぶさっている湊君が、苦しそうに顔を歪めていた。


「み、湊君!

だ、大丈夫?」


「うーーー…」


湊君は私の後頭部と背中を守ったせいで、


手の甲を強打してしまったらしい。


「ご、ごめんね」


相当痛かったよね?


ど、どうしよう…。


「い、いいんだ…。

じ、自業自得だから…」


自業自得…?


「ちょっと、その…。


激しかったから…」


ボソッと呟いて、目をそらす湊君。


うぅ~。


恥ずかしいよう。

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