トレモロホリディ
唇を重ねたまま、湊君が身体を揺らす。


んっんっと互いの声が、重ねた唇の隙間から漏れる。


どうしよう。


来る。


何か来る。


大きな波が。


怖い。


でも、大丈夫。


湊君が一緒だから。


怖くない。


「美菜ちゃ…っ」


せつなそうな湊君の声に、胸がキュンとなったその直後。


脈打つ大きな波に、私も悲鳴に近い声が出て。


お互いにこれでもかと、強くギューッと抱きしめ合った。


湊君は私の胸に顔を埋め、熱い息を漏らしていた。

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