トレモロホリディ
「あぁー、俺も彼女が欲しーい!」


壮真君はこれだけのイケメンなのに、もう一年くらい彼女がいない。


いや、正確には作っていないのだ。


「どんな人がいいんですか?」


気まずいけど、聞いてみた。


「俺…?


俺は、美菜ちゃん…」


思わずガクッと膝が落ちそうになった。


「ご、ごめんなさい…」


もう謝るしかないよね。


「俺なー、普通の子がいいんだ。

出来ればOLさんがいい。

上品な感じのOLさんが」


「は、はぁ…。

じゃあ、美菜ちゃんの会社の人を紹介してもらったらどうです?」


「ん?」


「仲の良い女の子が、沢山出来たって言ってましたよ」


「ま、まじで?」


急に目が輝く壮真君。


「う、うん…。

美菜ちゃんの会社、綺麗な人が多いらしいし」


「ちょ、ちょっと!

まじ紹介してよ!

飲み会セッティングしよう。

類は友を呼ぶって言うだろう?

いい子の周りにはいい子が集まるんだ。

美菜ちゃんの周りには、絶対素敵な子がいるはずだ。

なっ、頼んでおいてよ?」


「わ、わかりました…」


「よっしゃ~!フーーーッ!

おっ!いらっしゃーい、あおいちゃん。

今日も可愛いねぇ」


急にテンションの上がる彼。


う~ん。


壮真君って案外、単純な人だ…。

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