トレモロホリディ
「ようこそ。よく来てくれたね」


社長が爽やかに笑う。


「こ、こちらこそ。

お招きいただき、ありがとうございます」


二人で立ち上がって頭を下げた。


「澤井さん、どう?遠野君の絵。

このカフェにすごく映えると思わないか?」


社長がにっこり笑っておっしゃった。


「はい…。

とっても素敵で感激しています…」


湊君、本当にすごいと思う。


絵があるのとないのとじゃ、このカフェの雰囲気は全然違うだろうと思うもの。


「私はあの中央の花の絵が大好きよ。

このカフェを優しく見守ってくれている気がする」


人事部長が絵を見つめながら、にっこり微笑んでいる。


私もそう思う。


絵が無事完成して、本当に本当に良かった。

< 476 / 500 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop