トレモロホリディ
「俺らの部署って男ばっかで華がないじゃないですかー。

どこかの部署と合同でしましょうよー」


中西さんの言うとおりで、俺が入った部署は男性ばかりのチームで女性のアシスタントさんとかはいないのだ。


「そりゃやっぱ、総務でしょ」


加藤さんの横に座っている吉村さんが言った。


吉村さんは入社5年目で、副リーダーだ。


「お、噂をすれば。

入口に総務の子達がいるじゃないですか」


中西さんの言葉に振り返ると、美菜ちゃんが女性3人と一緒にランチを食べていた。


美菜ちゃんもこのお店に来ていたんだ。


俺もいるよー。


って、席遠いし、気づいてないか…。


「総務と言えばさ、やっぱ断トツ可愛いのは、受付の澤井さんだよなー」


突然美菜ちゃんの名前が挙がり、ドキッと心臓が跳ね上がった。


「えー!加藤さんって澤井さん狙いなんですか?」


中西さんが身を乗り出す。


「あの子、癒し系でいい子だろ?

いつもニコニコしてて親切で優しいし、気配りも出来るし。

気の強い他の女子社員とはワケが違う」


「ダメですよー。俺も狙ってるんですからー」


げっ。


加藤さんと中西さんって、美菜ちゃん狙いなの…?

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