トレモロホリディ
「あの女の子はね、ほなみでアルバイトしてるんだよ」


「ほなみ?

ほなみってあの、夜中ずっと開いてる定食屋?

あたしは行ったことないんだけど、ウチのお店の子達はみんなよく利用してるみたい」


「俺もミナトもさ、ほなみにはよく食べに行くから。

それで知り合ったってだけだよ」


「あーなるほどね。

なぁんだ、そうか」


「そういうこと。だから余計な詮索しないのー」


「はーい」


とりあえず納得した様子の梨香ちゃん。


俺はホッと安堵のため息を漏らした。


ミナトとは絶対付き合えない。


仮に梨香ちゃんが飲み屋に勤めていなくても、だ。


それをわかっているくせに、梨香ちゃんはミナトへの執着がすごかったりする。


彼女は売り上げにかなり貢献してくれているから、あんまりこちらから強気には出られないけど。


いい加減、ミナトのことは諦めて欲しいなと。


俺は内心思うのだった。

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