トレモロホリディ
「俺の部屋のエアコン新しいし、よく効くよ」


「え、いや、あの…」


それはそうだとしても。


「め、迷惑じゃない?私が同じ部屋で寝てたら」


「なんで?全然迷惑じゃないよ」


いつものように優しい笑顔のミナト君。


あ、そうか。


ミナト君はゲイだから、私に対して同性の感覚なんだ。


だから何の抵抗もなく、そういうことが言えちゃうんだ。


「しばらくの間だけだし、気にしなくてもいいよ」


「ん?うん…」


「明日バイト終わって、寝る準備が出来たら部屋においで」


「は、ははは…」


ミナト君の申し出はすごくありがたかったけど、どうしても顔が引き攣ってしまう私なのだった。

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