(続) 冷めた結婚
「愛海の男が怖いって気持ちわかってるつもり。でも、ムキになると自分じゃ自制きかないから…。だから、ちゃんと言ってほしい。あと三つ目、愛海は俺の愛しい人。世界で一番の愛しい人なんだってことを忘れないでほしい。俺には愛海しかいない」
もう、言葉が出なかった。
涙が止まらない。ただ、ひたすら輝の胸に顔を当てて涙を流すだけ。
「私にも、居ればよかった」
「何が?」
「元カレとか、男友達とか」
「何で?」
少しだけ、輝の声が強張る。
「だって、輝の友達も仕事仲間も疑ってばかりで…。私にもそんな存在がいれば気にならなかったかもしれないから…。」
本当にそう思う。
元カレもいない。ただ身体だけ汚れた女。
私が輝だったらどうするんだろう?結婚しても、絶対戸惑ってしまう。
「そんな理由?」
「うん…」
「なら、良かった…」
「えっ?どういう意味?」
よくわからずそう尋ねる。