(続) 冷めた結婚
些細なことで…
「ただいまー!」
ちょうど料理ができた頃、輝たちがかえってきた。
「おかえり」
出迎えようと、玄関までいくと
「あれ…?それは?」
二人はたくさんのビニール袋を手にかえってきた。
「何?それ?」
「あっ、お土産。飯買ってきた」
また、私のなかで何か音が鳴り始めた。
「そうなんだ…」
「もしかして、飯作っちゃった?」
なんて言おう。
作ってないは通用しないよね。
「電話してくれれば良かったのに、作っちゃったよ」
精一杯だった。
「えっ!ごめん…なんか、そうだよな。電話か、気づかなかった」
『気づかなかった』
そう言われた瞬間、ひと時も私のことを思い出さなかったと言われてるみたいで、悲しい気持ちになった。