(続) 冷めた結婚
「輝は、私が圭吾にされたことなんて重きを置いてないんだよ」
「っ…」
輝の顔が一気に歪む。
「圭吾にされたことと…同じこと…」
身体が震える。
声も自然と震えてくる。
「もう、いいよ。輝も結局みんな同じなんだよ!輝も圭吾も。やっぱりそういうことしたいだけなんだよ」
輝をめちゃくちゃに傷つけてることも分かってる。
でも、止められなかった。
「私に隙があるんだよ。だから、輝も圭吾も…」
「それ以上言ったら、本気で怒るぞ」
あまりにも、凄むような目で見てくるもんだから、一瞬怯む。
「一緒なのか?」
「えっ?」
「愛海にとって、俺がしたことは愛海に酷いことしたやつと一緒なのかよ!」
違うよ…。全然違う。
でもね、思い出したのは本当なんだ。
本当に本当に怖かった。
「俺の気持ちなんだと思ってるんだよ!」
そう言うと、輝は寝室に入って行ってしまった。
かなり怒ってたな。
そりゃそうだよ…。
私は輝をひどく傷つけたんだ。