(続) 冷めた結婚
時間とは刻々と過ぎて行くもので、もうすでに夜の8時を軽く超えた。
「ぱぱ、遅いね…」
眠そうな顔をこすりながら、必死に輝の帰りを待つ美結ちゃんと、帰ってきて欲しいけど、帰って欲しくないと矛盾した気持ちを抱えている私は、食卓テーブルに二人向かい合わせに座っていた。
でも、そんな私たちの気持ちとは裏腹にドアは音すら立てない。
これが、現実というものなのか…。
「美結ちゃん?もう寝よう?」
「いや!ぱぱー」
「じゃあ、パパ帰ってきたら起こしてあげる」
「ほんと?」
「うん!」
そう言うと、美結ちゃんは足早に寝室へと向かった。
今までは、私がなんかいうと全て『はーい』って返されていた返事。
でもここんところ、否定するようになってきた。やっぱりこれって反抗期?
なんて、その後ろ姿を見ながらちょっと考えていた。