(続) 冷めた結婚
「輝とは、本当にお友達なんですか?」
わたしがそう言うと、彼女は驚いた表情を浮かべて。
でも、すぐに微笑んだ。
「昔のことだから、今はもう友達です」
酷く目眩がした。
目の当たりにしてしまうと、心は思った以上に悲鳴を上げた。
「そう…ですか」
私はそれが精一杯で。
でも、彼女はさらににっこりと微笑んで家を後にした。
聞かなきゃよかった。
結果はそれとなくわかっていたはずだ。
それなのに、何故私は聞いてしまったんだろう。
元恋人。
私にはいない存在。
輝はどんな風にあの人と言葉を交わしたんだろう?
どんな風に抱きしめたんだろう?
どんな風にキスをしたんだろう?
どこへ行って、何を話して……
それから、どんな風に触れたんだろう。