(続) 冷めた結婚
完全なる嫉妬だ。
こんな自分が嫌になる。
つーんとしたような感覚に、そろそろ溢れ出すだろう涙。
目の前で完全に玄関で寝てしまった輝を見ながら、つーっと涙は頬を伝って行った。
とりあえず、起こさなきゃ。
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「輝?」
「んー?」
「輝、起きて?風邪引いちゃうよ」
ゆすっても、軽く叩いても起きない。
仕方ない。毛布でももってくるか。
「愛莉……」
つぶやかれた名前は私のものではない。
きっとさっきのあの人の名前。
私の中で、何かが音を立てて崩れていった。