(続) 冷めた結婚

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『私は愛莉さんじゃない』


そう言った、愛海の顔には今まで見たことがないくらいの悲しみの表情が浮かんでいた。



ふと目を覚ますと、なぜか俺は玄関にいて毛布を掛けられていた。


辺りに目を配ると見えてきたのは神妙な面持ちの愛海だった。



どうしたんだ?


何かあったんだろうか?



でも、昨日の今日だあまり近づくのは逆効果のように感じた。



昨日の愛海は、あまりにも官能的過ぎた。




どんどんあふれてくる涙に、それを伝った頬が蛍光灯の明かりで照らされていて、そんな綺麗な顔で笑うから余計に魅力が増して。


そんな顔で『仲直りだよね?』なんて可愛く聞いてくるもんだからもう、限界だ。




愛海に煽られるだけ煽られた俺の理性は、大崩壊。






無我夢中で、魅力しか感じられない愛海の唇に自分の唇を押し当てたのだった。


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