(続) 冷めた結婚
「そっか…」
答えはもらえなかったけど、自分の中で妙に納得してしまったのだ。
きっと、私の思ってることで合っているんだと。
「何だよ?」
私の納得した言葉に、よくわからないといったような声をだす輝。
そりゃそうだ。
私の頭の中で、理解しているだけなのだから。
「輝はさ、愛莉さんのこと好きだったんだよね?」
念のための確認だ。
それに、こんな質問自爆に近い。
「だから、あいつは違う」
もしも、否定してくれたら。
輝の言葉を聞いたとき、完全に鵜呑みにしたわけじゃないけど、小さな希望が望みに変わったと思った。
「あいつは、ただの仕事仲間だ」
『仕事仲間』
その言葉が、何故か特別なものに感じてしまう。
私は、輝の仕事しているところを見たことがない。
私が、知らない時間を共有している人。
そんなことでも特別に思えてしまう。