(続) 冷めた結婚
「でも、ちゃんと断った。俺は愛海が好きだからそれに応えるなんてことはありえない。でも、あいつ仕事仲間としては本当にできるやつで、物分りもいいし一緒に仕事してていい刺激をたくさんもらってる。だからといって、愛海が考えているようなことは全くないし。それに、昨日も二人で飲みに行ったわけじゃないから。」
事実なのだろうか?
まだ疑ってしまう自分が情けない。
「告白されたとか言って、愛海を不安にさせたくなかったんだ。でも、ちゃんと話してればこんなことは起きなかったかもな…ごめん」
すべては、私の勘違いだったんだ。
力なく謝る輝を見るとそう思うほかなかった。
「愛海だけなんだ。本当に愛海だけ。愛海だからこんなに好き」
輝はいつでも真っ直ぐだ。
いつもストレートに言葉を伝えてくれる。
相手を疑うのは、自分に自信がないから。
こんな私ってずっと思ってるから。
「飲みに行くときは、電話が欲しい…ずっと心配してたの」
「うん」
私も真っ直ぐな人間になりたい。
輝を見ているとそう思う。
「それから、いっぱい嫉妬しちゃってごめんなさい…」
素直にそう謝った。