(続) 冷めた結婚
わかっていることは、一つだけ。
輝に拒否されたことが、すごく悲しかったこと。
何でだろう、輝が帰ってくる前は会話でさえどうしていいかわからずに悩んでいたのに、受けてもらえない気持ちってこんなに惨めに感じてしまうのだろうか…。
あれだけ騒いでて勝手かもしれないが、正直昨日のことなんてもうどうでもいい。
昨日は気が動転して、戸惑っていただけだ。
冷静になって考えてみれば、圭吾と輝を重ねる自分がどうかしてる。
「愛海、話してくれないとわからないよ?」
輝は人の話を聞くのがうますぎる。
言葉にできなくて、もやもやと膨らんでく心の声を輝はいとも簡単に吐き出させてくれる。
「拒否した…」
「ん?」
「輝にぎゅってしてほしくて近づいたのに…」
「っ…」
もう限界だ。
一生懸命、せき止めていた涙は簡単に崩壊した。