(続) 冷めた結婚
つけっぱなしのテレビを消して、俺はソファから立つ。
愛海の顔はよく見れない。
照れくさいとかそんな感情が立ち込めたからだ。
「…っ」
テレビを消したせいか、途端に広がる静寂。
その静寂をさくように響くのは、耳を傾けなくてもわかる。
愛海の泣き声だ。
「ったく…」
どうしたらいいんだ?
どうして、泣くんだよ?
俺は、愛海を傷つけたくないんだ。
声にならない思いだけが、心を埋めていく。
なんで、俺はいつもいつもこうなんだ。
俺の中では考えているつもりでも、結果的に愛海を傷つける。
泣くなよ…
泣かれると抱きしめたくなるんだよ。