(続) 冷めた結婚
圭吾があんなことしなければ、私はもっと違う人生がおくれていたはずなのに…。
高校だって教室に入れるまで時間がかかったし、恋愛だって簡単にできなかった。
輝という存在に出会うまで誰も好きになんてなれなかった。
輝と出会っても同じ。信用するまでどれだけの月日がかかったか…。
それを、そんな言い方…。
あまりに酷い…。
「じゃあな」
冷たくそう言い放ち、圭吾はその場を立ち去った。
私も帰らなきゃ。
「ままー。帰ろう?」
「うん…」
美結ちゃんの手を引いて家へ向かう。
その帰り道はいつもの倍くらいの長さに感じた。